
皆さんこんちには。
「薬のおとく堂」お薬解説員です。
「おとく堂」ブログでは、ジェネリックを含む医薬品や、薬の個人輸入に関するさまざまな情報をお届けしています。
今回のテーマは「早漏(そうろう)」です。
ED(勃起不全)と並び、男性の深刻なお悩みの原因となる早漏。
国際性医学会(ISSM)の調査では、成人男性の約30%が早漏に悩んでいるとされています。
日本国内に限ってみれば、男性用の性具を製造するメーカーの調査では、日本人男性の4割が、早漏あるいは早漏気味であると答えたそうです。
かなりの数の男性が「自分は早漏ではないか?」と悩んでいるといえそうです。
ここでは改めて「早漏」とは何か?について詳しく解説すると共に、早漏防止・改善のための方法についてまとました。
早漏の原因と改善・対策方法について詳しく解説
【目次】
- 早漏とは
早漏の定義
どこから早漏か?
早漏の割合と平均時間
女性が望む挿入時間
早漏の問題点 - 早漏の原因
過敏性早漏
心因性早漏
衰弱性早漏
包茎が原因
EDと早漏 - 早漏の改善・対策方法
早漏防止トレーニング
骨盤底筋・球海綿体筋を鍛える
パートナーに早漏だと伝える
カウンセリングを受ける
性行為の工夫
早漏防止薬を使用する - まとめ
1)早漏とは

そもそも早漏とはなにか?
早漏とは、一般的には、
本人の意思に反して、性交時の射精までの時間が極端に短いこと
と考えられています。
では、何分持てば、早漏でないのか?どこから早漏を見なされるのでしょうか?
実は、明確にこうだ!という「早漏の定義」はありません。
医学的には、国際性医学会(ISSM)が定めた基準はありますが、人によって解釈は異なりますし、パートナーとの関係性によっても異なるでしょう。
早漏の定義
改めて国際性医学会(ISSM)の定義を見てみると
- 常に、膣内に挿入する前あるいは、挿入後1分以内に射精してしまう
- 膣内挿入した際、意図的に射精を遅らせることが全くあるいはほとんどできない
- それが原因となって、性交に苦痛や悩み、ストレスを感じ、性交を回避してしまう
状況を早漏と定義しています。
また、別の説では、
- 膣内に挿入後、2分以内で射精する
- 射精のコントロールが不能
- 本人またはパートナーの心理的な苦痛
とされています。また、
- 「挿入する前、挿入途中、あるいは挿入した直後のいずれかのタイミングで、本人の意思に反して、ちょっとした刺激で射精してしまい、これが繰り返される状況」
- 「挿入後60秒以内で射精してしまう状態」
- 「パートナーが希望する挿入から射精するまでの時間の間で、射精をこらえられないこと」
といった定義をする場合もあります。
いずれにせよ、個人差も大きいですし、特にパートナーとの関係が大切になりますから、具体的な数字を出して明確に定義づけするのは難しいのかもしれません。
また、「これらの状況が繰り返される」ということもポイントになるでしょう。
どこから早漏か?

上記のように、「こうならば早漏である」という明確な定義は難しいのですが、
- 自分で早いと感じる
- パートナーの満足が得られない
- 上記2つの状況が繰り返される
- そのことを本人がストレスと感じる
状況が早漏と言えそうです。
実際には、平均よりは長く持ったとしても、自分自身あるいはパートナーが「早い」と感じ、それをストレスと感じているのであれば、それは「早漏」と言えるのかもしれません。
では、実際、どのくらいの人が「早漏」と感じているのでしょうか?
また、挿入から射精までの平均時間はどのくらいなのでしょか?
早漏の割合と平均時間
男性用の性具を製造するメーカーが2018年に実施した、20代~70代の男性を対象とした調査によると、
自分のことを「早漏だ」「早漏気味だ」
と感じている人の割合は40.1%に達しています。
しかも、自分が「早漏だ」「早漏気味だ」と感じている男性の内、70.2%が「早漏であることに悩んでいる」と回答しています。
かなりの数の男性が、自身を「早漏」と感じ、悩んでいる実態が見えてきます。
では、膣挿入から射精までの時間は本当に早いのでしょうか?
海外で行われた医学的な調査では、平均で6分程度という数字が出ています。
また、日本での意識調査によれば、日本人男性の平均は10分前後と数字もあります。
ただ、調査によってかなりバラつきがあるため、これをもって平均何分とは断定しずらいものがあります。
では、女性の側はどのように感じているのでしょうか?
女性が望む挿入時間

これも調査によってかなり差がありますが、
女性誌が行った意識調査によると、希望の挿入時間は、平均で「14分20秒」と出ています。
ただ、同じ調査では、実際の挿入時間の平均が「13分7秒」となっているので、他の調査に比べて長めになっています。
これは実際の挿入時間を計測したのではなく、あくまでもアンケートなのでこのような数字になっているのかもしれません。
また、先の男性用の性具を製造するメーカーの調査では、理想の挿入時間は
- 1位:10分(20.9%)
- 2位:5分(18.9%)
- 3位:1分未満(12.9%)
- 4位:15分(9.6%)
- 5位:3分(7.1%)
となっており、そこまで長い挿入時間を求めている訳ではなさそうです。
同調査では、実際の挿入時間の中央値が10分~14分となっており、女性が求める時間よりも長い時間挿入している傾向がありそうです。
また、理想の挿入時間として、5分以下を希望する女性の割合がかなりの数ありますので、膣内挿入から射精までの時間が、よっぽど短くない限り、そこまで気にすることもないのかもしれません。
やはり「早漏」は、パートナーとの関係の考えるべき症状ということなのでしょう。
ただし、調査対象の年齢層が若くなればなるほど、女性が希望する挿入時間は長くなる傾向があります。
したがって、「早漏の定義」でも見た、膣内挿入後1分~2分で射精してしまう方は、女性を満足させることができない可能性が高いかもしれません。
早漏の問題点
さまざまなアンケートや意識調査を考えれば、膣内挿入から射精までの時間について、そこまで深刻に考える必要はないと思われます。
しかし、男性側と女性側で、挿入時間に関する意識の違いがある場合(女性が求める時間よりも短い、あるいは長い)は、男女間の関係悪化につながる可能性があります。
逆に、挿入時間が平均よりも短くても、パートナーが満足できているのであれば、男女関係という意味では問題にならないでしょう。
ただし、男性自身が「早漏」と感じている場合、「自信の喪失」や「早漏と感じることによるストレス」など、メンタル面では良いものではありません。
意識調査でも明らかになったように、「早漏」「早漏気味」と感じる男性がかなりの割合に達し、また、そのことに悩んでいる男性も多くいる現状は、大きな問題と言えるかもしれません。
いずれにせよ、感じ方は人それぞれであり、パートナーとの関係性にも深くかかわる問題です。
一人で悩まず、パートナーとしっかり話し合う必要があるでしょう。
その上で、「早漏」であり、解決が必要と感じた場合、適切な対応を検討するべき問題だと考えられます。
2)早漏の原因

男女の意識調査や、実際の挿入時間を見た限り、「早漏」はそこまで深刻に考える問題ではなさそうです。
とはいえ、やはり、「男女間の良好な関係性」や「男性の自信」にかかわることですので、「早漏」と感じた場合は、適切な対応が必要です。
そこでまずは、「早漏」の原因について見ていきましょう。
原因によって、適切な対処法が異なってきます。
「早漏」の原因は、まずは大きく「過敏性早漏」「心因性早漏」「衰弱性早漏」の3つに分類されます。
以下、それぞれについて説明いたします。
その上で、身体的特徴(包茎)に起因する「早漏」と、ED(勃起不全)と併発するものについて、解説します。
過敏性早漏
「過敏性早漏」とは、読んで字の如く、陰茎(ペニス)が、外部からの刺激に対して、過敏に反応することが原因となる「早漏」です。
性的な刺激に敏感になりすぎるために、ちょっとした刺激で射精してしまいます。
通常、性的な刺激を脳が受けてから、射精の準備が始まるため、膣内に挿入して直ぐに射精してしまう…ということはありません。
しかし、「過敏性早漏」の場合は、脳が性的な刺激を受ける前に、射精中枢が反応し、挿入と同時あるいは、ちょっとした刺激で射精してしまいます。
性的な経験が浅く、性欲が旺盛な若者や、普段からスポーツに親しむ方に、よく見られる傾向があるとされます。
病気ではなく、敏感過ぎる故の「早漏」とも言えます。
「過敏性早漏」の場合、耐えるためのトレーニングを行うことで改善が見られます。
心因性早漏
過去の経験によるトラウマや、心理的なストレスによって発症する「早漏」とされます。
本来、性的な行為を行うことで、徐々に気持ちを高め、興奮状態となり、射精と至ります。
しかし、過去に、「挿入前に射精してしまった」「彼女に早いと冷たく言われた」など、射精に関するマイナスの経験をしていたり、性行為に関し不安を感じていたりした場合、交感神経が活性化し、逆に興奮状態になります。
このため、通常よりも早く射精中枢が刺激され、射精へと至ります。
場合によっては、具体的な性的刺激を受けなくても、イメージするだけで射精するケースもあります。
心理的な要因が大きいため、カウンセリングなどの心理的なケアや、医薬品による対処が可能です。
衰弱性早漏
老化や病気などで筋力が衰えることで発症する「早漏」です。
膀胱や腸を支え、排泄をコントロールする「骨盤底筋(PC筋)」や、陰茎(ペニス)を体内から支え、射精をコントロールする「球海綿体筋(BC筋)」など、勃起や射精に関連する筋肉が衰えることで、射精までの時間が早くなります。(射精を我慢できなくなります)
改善には、衰えた筋力を回復するためにトレーニングが重要になります。

包茎が原因
上記の3分類とは別に、「包茎」が原因として「早漏」になる場合があるとされます。
「過敏性早漏」に分類する場合もありますが、亀頭が包皮につつまれているため、刺激に対して過敏に反応するとされます。
亀頭が露出している場合、下着などで常にある程度の刺激にさらされていますが、包皮のため、普段刺激を感じることが少ないという訳です。
この場合は、包茎手術を行うことで、解消されるとされます。
EDと早漏
ED(勃起不全)と「早漏」に明確な因果関係があるかどうかはわかっていません。
ただし、ある意識調査では、特に年齢が上の世代になるほど、自身がEDと感じている方ほど、自分自身を「早漏」と感じている傾向が高くなるようです。
特に、50歳以上になると、実にEDでない方の2.5倍の方が、自身を「早漏」と感じていると回答しています。
ただし、この年齢になると「衰弱性早漏」の可能性も高いですし、そもそもED(勃起不全)の状態は「早漏」以前の問題かもしれません。
なお、ED(勃起不全)気味の方は、「陰茎(ペニス)が硬い間になんとか射精したい」「中折れだけはしたくない」と、挿入後、過剰に頑張りすぎて、射精が早まる可能性はあります。
また、陰茎(ペニス)の硬度が今一つの場合、ギンギンの状態に比べると刺激を受けやすくなると言われています。
明確な因果関係はないにしても、ED(勃起不全)と「早漏」にはある程度の関係はあるかもしれません。
ED(勃起不全)が原因の「早漏」であれば、ED(勃起不全)を改善することで、「早漏」も改善される可能性は高いと言えます。
また、ED(勃起不全)治療薬の中には、射精までの時間が長くなる傾向があるものや、早漏防止薬と組み合わせたものも存在します。
3)早漏の改善・対策方法

さて、主な「早漏」の原因を見てきましたが、ここからは「早漏」を改善するための対策について見ていきましょう。
これらの方法が、どれが1つが正解というよりは、「早漏」の原因を考え、適切なものを組み合わせて取り入れることがお勧めです。
早漏防止トレーニング
陰茎(ペニス)が敏感するぎる「敏感性早漏」の場合、特にこの方法が有効です。
外的な刺激を加え、その上で、射精をこらえるトレーニングを繰り返すことで、性的な刺激に慣れさせる方法です。
自分自身で行う「スクイーズ法」と、パートナーと一緒に練習する「セマンズ法」という2つの方法が有名です。
スクイーズ法
主に自分自身で行うトレーニング法です。
通常通りマスターベーション(自慰)を行います。
射精寸前になったら、亀頭を手で押さえて射精を我慢します。
これを毎回、マスターベーション(自慰)の際に数回繰り返してから、射精するようにします。
パートナーがいる方は、マスターベーション(自慰)をパートナーに手伝ってもらうのも1つの方法です。
また、男性用の性具を販売するメーカーでは、自社の製品を使ったスクイーズ法を紹介しておりますので、自分にあった方法を探すのも良いでしょう。
いずれにせよ、「射精を我慢する」ということを繰り返すことで、「早漏」の改善につながります。
実際、ある調査では、スクイーズ法を実践した内、約6割の方が、効果を実感したと回答しているそうです。
セマンズ法
こちらは、パートナーと共に実践するトレーニング法です。
スクイーズ法では、マスターベーション(自慰)で行いましたが、これをパートナーの手で行ってもらう形になります。
パートナーから実際に陰茎(ペニス)へと刺激を与えられるので、より実践的な訓練法と言えます。
セマンズ法でも、射精寸前に亀頭を押さえて射精を我慢する行為を4~5回繰り返してから、射精するようにし、まずは女性の手の刺激に慣れていきます。
ある程度効果が感じられた時点で、今度はローションを使用します。
ローションを使用することで、さらに強い刺激を陰茎(ペニス)に与え、射精を我慢する行為を繰り返すことで、刺激に慣れていきます。
この場合は、4~5回、射精を我慢する行為を繰り返してから、射精するようにします。
この方法である程度効果を実感できれば最終段階です。
実際に、性行為を行いトレーニングします。
パートナーには騎乗位で膣内挿入をしてもらい、射精寸前まで刺激を与えてもらいます。
射精寸前になったタイミングで、パートナーに動きを止めてもらい、射精を我慢します。
騎乗位が難しい場合は、他の体位でも構いませんが、射精寸前に動きを止め、射精を我慢する行為を繰り返すことが重要です。
こうすることで、刺激に強くなり、膣内挿入から射精までの時間を延長できるようになります。
骨盤底筋・球海綿体筋を鍛える

この方法は、特に「衰弱性早漏」の場合に効果的な方法です。
「骨盤底筋(PC筋)」は、骨盤の底に位置する筋肉で、下から膀胱や腸を支える働きを持ちます。
それと同時に、排泄行為をコントロールし、また、勃起を維持する機能も持っています。
勃起した際に、海綿体に流れ込んだ血液を戻さないように支える役割を持っています。
また、「球海綿体筋(BC筋)」は、陰茎(ペニス)を体内から支えるように位置する筋肉で、射精のコントロールを行う働きを持っており、「骨盤底筋(PC筋)」とつながっています。
老化や病気などで、これらの筋力が低下することで、射精を我慢できなくなったり、勃起の維持力が低下したりします。(年を取ると、尿漏れなどが起きやすくなるのも、これらの筋肉が弱くなったことに起因します)
「骨盤底筋(PC筋)」や「球海綿体筋(BC筋)」を鍛える運動としては、ケーゲル体操がおススメです。
仰向けに寝そべります
足を肩幅ぐらいに広げて、かるく膝を曲げます
その姿勢のまま、肛門や尿道全体に力を入れて締めます(5秒間)
今度は、力を抜いてリラックスします(5秒間)
これを4~5回繰り返します
慣れてくれば、回数を増やしていきます。
できれば、締める・リラックスを各10秒づつ行えるぐらいまで続けると良いでしょう。
また、最終的には、この運動10回を1セットとし、1日3セットを目標に実践します。
弱った筋肉を鍛えることで、「早漏」の改善と、勃起力の維持や勃起時の硬さの向上にもつながります。
「骨盤底筋(PC筋)」や「球海綿体筋(BC筋)」は、他にも鍛える方法がありますので、色々調べてみると良いでしょう。
パートナーに早漏だと伝える
「早漏」の原因はさまざまに考えられます。「心因性早漏」だけでなく、さまざまな「早漏」において、メンタル的な要素がかなりの部分を占めています。
特に「自分は早漏ではないのか?」や「自分はパートナーを満足させられていないのではないか?」といった不安や、心理的なプレッシャーは、身体的に問題は無くても「射精」を早める可能性があります。
また、他の原因で「早漏」気味だったとしても、メンタル的な不安から、「早漏」状態がさらに悪化していく悪循環に陥る可能性もあります。
その点では、かなり勇気がいる対策ですが、パートナーに「自分が早漏かもしれない」「自分は早漏だと感じている」ことを話すことは、重要です。
パートナー自身は、実際には「今の挿入時間で満足している」かもしれませんし、そもそも「早漏」というのは自分だけの思い込みの可能性もあります。
心理的なプレッシャーが「早漏」の原因だった場合、パートナーに打ち明けることで、プレッシャーから解放され、結果、挿入時間が長くなった…というケースもあります。
もちろん、前述のセマンズ法などのパートナーの協力が必要なトレーニングを行うこともできます。
思い切って、パートナーに話すことも「早漏」対策になりえます。
カウンセリングを受ける
「早漏」には、さまざまな原因があり、実は自分で考えていたのとは、異なる原因があるかもしれません。
また、自分自身でトレーニングをしても、なかなか改善しないこともあります。
「早漏」や、逆に、なかなか射精できない「遅漏」など、いわゆる射精障害や膣内射精障害(膣内で正常に射精できない障害)については、それを専門に対応する医師が存在します。
思うように「早漏」が改善しない場合は、専門医のカウンセリングを受けるのも1つの方法です。
性的な内容を専門家とはいえ、他人に相談するのは抵抗があるかもしれませんが、1人で抱えて悩み続けるよりは、良い結果になるかもしれません。
性行為の工夫

実際の性行為の際に、さまざまな工夫を行うことで、膣内挿入から射精までの時間を長くすることができます。
体位の変更
性行為時の体位によっても、射精しやすい体位としにくい体位が存在ます。
あえて、射精しにくい体位をすることで、射精までの時間を長くするトレーニングが可能です。
一般的には、正常位や騎乗位は、射精しやすいとされ、逆に、座位や即位、立位などは、射精しずらい体位とされていますので、試してみるのも良いでしょう。
もちろん、人によって違うと思いますので、色々な体位を試し、射精までの時間がより長くなる体位を探るのがおススメです。
また、対面座位は、男性側の動きが少ない上でに、女性側は感度が高いポイントを自ら刺激できるため、「早漏」対策に向いた体位とされます。
なお、射精を催した際に、体位を変更する方法も、体位の変更により興奮状態がリセットされるので、射精までの時間を長くすることが可能とされます。
体位については、パートナーとの関係も重要な要素です。
可能であれば、パートナーに早漏であることを伝えた上で、お互い協力体制が築けると良いでしょう。
厚手のコンドームを装着する
特に「過敏性早漏」など、刺激に弱い場合は、効果的な方法です。
最近では、コンドームの性能がかなり向上し、ごく薄のものや、まるで「つけていない」かのような感覚のものもありますが、逆に0.1㎜以上の厚手のものを利用することで、亀頭への刺激を和らげます。
中には、「早漏」対策用のほとんど刺激を感じないレベルのものもありますので、いろいろと探すと良いでしょう。
また、麻酔薬が塗られた「早漏防止」専用のコンドームも販売されていますので、そういったものを使用する方法もあります。(麻酔薬については早漏防止薬の項目をご確認ください)
ただし、厚手のコンドームにせよ、麻酔薬入りの専用コンドームにせよ、感度を下げることで、射精までの時間を伸ばします。性的な快感が弱くなる可能性もあります。
意識を切り替える
ある意味、古典的な方法ですが、射精感を感じたら、性的とは全く関係ないことをイメージすることで、興奮を抑える方法です。
「怖いこと」や「驚いたこと」を思い出したり、哲学や科学、物理学などの難しい問題をイメージしたり、自分の家族について考える、といったことです。
意識を切り替えることで、興奮状態を押さえ、射精までの時間を引き延ばします。
また、これをスクイーズ法などと組み合わせても良いでしょう。
マスターベーション(自慰)の際、射精感に合わせて意識を切り替える訓練を行います。
ただし、あまりにもやり過ぎると、中折れしたり、パートナーの不信感につながる可能性もありますので、十分にご注意ください。
早漏防止薬を使用する

早漏防止をかかげる医薬品を使用する方法です。
海外では、「早漏」を病気と見なし、医薬品による治療の対象としている国も存在します。
早漏防止薬は、分類すると内服薬と塗布剤に別れ、前者は「心因性早漏」、後者は「過敏性早漏」に効果があります。
内服薬
早漏防止薬は、有名なところでは、アメリカの製薬会社イーライリリーが開発し、ジョンソン&ジョンソンが販売するプリリジーがあります。
射精時のタイミングは、ノンアドレナリンとセロトニンによってコントロールされていると考えられています。
性的な刺激によってストレスがたまると、ストレスホルモンであるノンアドレナリンが分泌されます。
ノンアドレナリンが性的な興奮を高め、射精へと促します。
「早漏」の場合、何らかの影響で、このノンアドレナリンが過剰に分泌されることで、射精への時間が早まります、
この際、ノンアドレナリンの分泌を抑える働きを持っているのが、脳内伝達物質のセロトニンです。
ダポキセチンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌を促す効果を持っており、これにより、過剰なノンアドレナリンの働きを抑え、射精までの時間を延長します。
プリリジーの有効成分ダポキセチンは、元々は抗うつ薬として開発されましたが、比較的、副作用が出にくく、早漏防止効果があるため、早漏防止薬としても使われるようになった経緯があります。
塗布剤
いわゆる麻酔薬を陰茎(ペニス)に塗布すること感覚を麻痺させ、刺激に耐えられるようにします。
「過敏性早漏」の対策としてはかなり有効ですが、感覚を麻痺させるため、性的な快感、感度も弱くなる傾向があります。
局部麻酔に使用されるリドカインやキシロカイン、ベンゾカインなどが知られています。
スプレータイプや塗り薬、塗布済みのコンドームなど、さまざまな形で販売されています。
なお、陰茎(ペニス)に直接塗布する麻酔薬ですので、そのまま膣内挿入した場合、女性側も陰部が感じにくくなったり、麻痺する可能性があります。
塗布後、十分に乾いてから挿入するか、しっかりとコンドーム装着してからの性行為が必要になります。
4)まとめ

今回は、「早漏」の原因と改善・対策方法についてまとめてみました。
「早漏」は、定義が明確にはなっていませんが、
- 自分で早いと感じる
- パートナーの満足が得られない
- 上記2つの状況が繰り返される
- そのことを本人がストレスと感じる
ことがポイントになってくると思われます。
また、時間的な数値でいえば、膣内挿入後、1分~2分以内に射精してしまう場合は、「早漏」と見なされる傾向が高いようです。
ただし、女性側の満足という点で言えば、そこまで長い時間持続できなくても問題ない可能性もあり、パートナーとの関係性やコミュニケーションが重要になります。
とはいえ、「早漏」状態は、男性の自信喪失や過度な心理的ストレスに発展することや、パートナーとの気持ちのズレ、関係の悪化につながる可能性もありますので、気になる場合は、対策することが求められます。
改善・対策方法は、「早漏」の原因によってもことなりますが、早漏対策のトレーニングや筋トレなどの努力で解決できるものから、医薬品を利用するものまで、さまざまあります。
また、1人で抱え込むのも良くない面があります。
デリケートな問題ですが、パートナーとしっかり話、場合によっては専門医のカウンセリングを受ける必要もあるでしょう。
いずれにせよ、自分とパートナーにとって最適な方法を見出すことが重要です。