
皆さんこんにちは。
「薬のおとく堂」お薬解説員です。
「おとく堂」ブログでは、ジェネリックを含む医薬品や、薬の個人輸入に関するさまざまな情報をお届けしています。
今回は、バイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類のED治療薬、いわゆる3大ED治療薬の違いについて、解説したいと思います。
これから、ED治療薬を試したいけど、どれを選んで良いのかわからない…という方は、ぜひ、参考にしてください。
3大ED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)を徹底比較
【目次】
バイアグラ・レビトラ・シアリスの特徴

3大ED治療薬と呼ばれるバイアグラ、レビトラ、シアリスですが、どれもPDE5阻害剤とされ、ED(勃起不全)を改善する仕組みは同じです。
しかし、有効となる成分が異なるため、当然、効果や副作用に違いが出てきます。
これから、それらの違いについて説明したいと思いますが、詳しい比較の前に、バイアグラ、レビトラ、シアリスの特徴を簡単に説明いたします。
世界初のED治療薬「バイアグラ」
バイアグラ(Viagra)は、1998年にアメリカで、1999年、日本でも承認された、世界初のED治療薬です。
その有効性分・シルデナフィル(Sildenafil)が、陰茎(ペニス)の勃起状態を解除する働きを持つ「ホスホジエステラーゼ5(PDE5)」を阻害することで、勃起状態をサポートします。
開発を手掛けたのは世界的な製薬会社ファイザー社で、日本での特許が切れたことから、国内の複数のメーカーでジェネリック医薬品も製造されています。
青いひし形の錠剤で、有効成分・シルデナフィルの用量で25mg、50mg、100mgとあり(日本では100mgは認可されていない)、最近では水無しでも服用できる「バイアグラODフィルム」も登場。ED治療薬の代名詞的な存在です。
ED治療薬としての効果は強めですが、副作用も強めとされており、一長一短があります。また、食事の影響を受けやすいこともデメリットとされます。
しかし、最も古く開発されたED治療薬であり、長い期間をかけて多くの方が使用しており、その安心感・信頼感は抜群です。
硬さ最強!即効性も魅力の「レビトラ」
レビトラ(Levitra)は、ドイツの製薬会社バイエル社が開発したED治療薬で、2003年に販売が開始され、日本では2004年に5mg、10mgが、2007年に20mgが承認されています。
レビトラはバイアグラに次いで生まれたED治療薬で、バイアグラの改良版とも言えます。バイアグラよりも、食事の影響を受けにくく、副作用も改善されているとされます。
また、即効性があり、3大ED治療薬の中では最も早く効果が出始め、陰茎(ペニス)の硬さも最も硬くなるとされます。
オレンジ色の小さな丸い錠剤で、有効成分であるバルデナフィル(Vardenafil)の用量で、5mg、10mg、20mgの3種類があります。
自然な勃起と持続時間の長さで一番人気「シアリス」
シアリス(Cialis)は、アメリカの製薬会社イーライリリー・アンド・カンパニーが、2003年に販売を開始したED治療薬です。
日本では日本イーライリリー社が2007年から販売。2009年には日本新薬へ販売が移管されています。
有効成分であるタダラフィル(Tadalafil)は水に溶けにくいため、体内への吸収が穏やかとされます。
マイルドな効き目で、24時間~36時間という持続時間の長さが特徴です。
3大治療薬の中では、陰茎(ペニス)の硬さは最もマイルドとされていますが、その分、自然な勃起状態に近く、人気となっています。
副作用もマイルドで、食事の影響をほとんど受けないことから、ED治療薬の中では、最も人気となっています。
以上、バイアグラ、レビトラ、シアリスの3大ED治療薬の特徴を簡単にまとめました。
それぞれ特徴がありますが、効果や副作用については、かなり個人差があるとされます。
自分自身の状態や体質、使用目的に合わせて、自分にあったED治療薬を選ぶことが重要です。
それでは、項目ごとに、より詳しく、3大ED治療薬を比較してみましょう。
硬さと感度

まず、ED治療薬で最も重要な要素と思われる陰茎(ペニス)の勃起時の硬さについてです。
現在では、3大ED治療薬以外にも、さまざまなED治療薬が登場していますが、その中でもバイアグラの効き目は強い方に分類されます。
服用者の多くが、「まるで20代の頃のよう」と感想を述べるほどの硬度を実感されています。
レビトラは、そのバイアグラ以上の硬度になるとされ、ED治療薬の中でも最も硬くなるという服用者も多くいます。
一方、陰茎(ペニス)の硬さや大きさは、海綿体に流入する血流量に影響されますが、バイアグラ・レビトラとも、自然な勃起状態よりも多く流れ込むことで、堅くなりすぎる…と感じる方もいます。
また、ED治療薬の服用で、射精までの時間が長くなることはデータでハッキリしていますが、効果が効きすぎると、射精状態にも関わらず、精液が出ない、いわゆる「空打ち」になって、感度が大幅に落ちるとの感想も見受けられます。
シアリスについては、陰茎(ペニス)の硬度に関しては、バイアグラやレビトラに対して大きく劣るとされます。
ただ、効果がマイルドな分、自然な硬さ(自然な勃起状態)と感じるユーザーも多く、また、硬くなりすぎることにより、感度の低下といった感想はほとんど無く、そこが人気の要因となっています。
硬さを求めるのであればレビトラやバイアグラ。
自然な勃起と感度を求めるのであればシアリスが優れていると言えるでしょう。
即効性・持続時間・ピークまでの時間

即効性に関しては、一番早く効果が出始めるのはレビトラとされます。
水に溶けやすいレビトラは成分が吸収されやすいため、早い人で服用後15分程度、遅い人でも30分程度で効果が出始めるとされます。
効果のピークは服用後45分くらいで、約5~6時間、効果が持続するとされます。
一方、バイアグラは、服用後30分~1時間程度で効果が出始め、すぐにピーク状態となり、4~5時間の間、効果が持続します。
この2つに対し、シアリスは、水に溶けにくく、体内への吸収がゆるやかとされます。
効果が出始めるのは、服用後1時間ぐらいで、服用から3時間程度でピークを迎えます。
また、持続時間は全てのED治療薬の中でも最高レベルの24時間~36時間と、長時間継続するのが特徴です。
効果が出るまでの時間や、ピークの時間、持続時間は、性行為のタイミングとも関連しますので、一概に、どれが良いとも言えません。
目的に合わせた選択が必要になるでしょう。
食事の影響

食事の影響については、大きく差が出ます。
まず、バイアグラは空腹時の服用が推奨されています。
バイアグラは食事の影響を受けやすく、食事直後に服用した場合、効果が大幅に低下することが報告されています。
次にレビトラですが、バイアグラよりも食事の影響は受けづらいとされます。ただし、脂っこいものやカロリーを摂取しぎると効果が落ちるとされ、空腹時に服用した方が、効果的と言われています。
これに対してシアリスは、食事の影響をほとんど受けないとされています。
もちろん、食べすぎは良くありませんが、通常の食事であれば、ほとんど影響を受けずに効果が発揮されると言われています。
アルコールの影響

バイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類とも、飲酒(アルコール摂取)の影響は、ほとんど受けないとされます。
適度なアルコール摂取は、性行為時の緊張をほぐし、リラックスさせることで、ED(勃起不全)改善にプラスに働く可能性があります。
しかし、基本的に、ED治療薬は血管拡充する作用を持つため、通常よりも「酔い」が回りやすくなります。
過剰なアルコール摂取は、悪酔いの原因となるだけでなく、ED治療薬の効果を低下させ、めまいや急性アルコール中毒の原因となる可能性があるとされます。
適量の飲酒を心掛ける必要があります。
副作用

PDE5阻害剤の副作用の多くは、血管を拡張する機能によるもので、性行為と共に治まるのが一般的とされます。
代表的な副作用としては、身体の火照りや顔面の紅潮、頭痛や動悸、鼻づまり、腹痛(下痢)、吐き気、めまいなどがあります。
3大ED治療薬の中では、バイアグラやレビトラは、副作用が現れやすいとされています。
一方、体内への吸収が穏やかなシアリスは、副作用の出方もマイルドで、影響が出にくいとされます。
バイアグラとレビトラとでは、レビトラの方が、やや副作用が弱くなっているされますが、効果や副作用は個人差が大きく、体質にあったED治療薬を選択することが重要です。
効果も強いが副作用も出やすいバイアグラやレビトラか、効果も副作用もマイルドなシアリスか、という感じでしょうか。
比較表
バイアグラ(Viagra) | レビトラ(Levitra) | シアリス(Cialis) | |
有効成分 | シルデナフィル(Sildenafil) | バルデナフィル(Vardenafil) | タダラフィル(Tadalafil) |
製薬会社 | ファイザー | バイエル | イーライリリー (日本新薬) |
形状 | 青いひし形の錠剤 | オレンジ色の小さな円形の錠剤 | 黄色い涙滴形(卵形)の錠剤 |
種類 | 25mg 50mg 100mg ODフィルム | 5mg 10mg 20mg | 5mg 10mg 20mg |
効果 (硬さ) | 強め | かなり強い | マイルド |
副作用 | 出やすい | やや出やすい | 出にくい |
効果が出るまでの時間 | 服用後 約30分~約1時間 | 服用後 約15分~約30分 | 服用後 約1時間 |
ピークの時間 | 服用後、約1時間 | 服用後、約45分 | 服用後、約3時間 |
持続時間 | 約4時間~5時間 | 約5時間~6時間 | 約24時間~36時間 |
食事の影響 | 食事の影響を強く受ける | 食事の内容によって受けることもある | 食事の影響をほとんど受けない |
飲酒の影響 | 適量ならば良いが、酔いがまわりやすくなるので飲酒量には注意 | 適量ならば良いが、酔いがまわりやすくなるので飲酒量には注意 | 適量ならば良いが、酔いがまわりやすくなるので飲酒量には注意 |
ED治療薬の選び方

さて、ここまで3大ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)の違いについて、解説してきました。
医薬品としての歴史の長さ(=安心感)を求めるのであればバイアグラ。
勃起時の陰茎(ペニス)の硬度や即効性を求めるのであればレビトラ。
マイルドな効き目で「自然な勃起」や、ある程度自由に飲食したい、というのであればシアリス。
といった選び方になります。
また、服用のタイミングや効果がピークになるタイミングなども、服用の目的やシチュエーションによって異なりますので、選ぶ上で参考になるでしょう。
しかし、他の医薬品と同様に、ED治療薬の効果や副作用は、個人差がかなり大きくなります。
その上で、使用する用量によってもかなりの差が出ます。
実際に、3種類とも少量づつ試してみるのが良いでしょう。
その上で、効果や副作用を見ながら、徐々に用量を増やしていき、自分にあったED治療薬を探すことがお勧めです。
まとめ
今回は、3大ED治療薬について、その違いを詳しく解説しました。
ただし、選び方でも述べましたが、効果や副作用は個人差が大きいため、必ずしも、一般的な効果・副作用が現れるとは限りません。
なお、バイアグラ、レビトラ、シアリスは、どれも後発薬であるジェネリック医薬品もあります。
有効成分は元となった医薬品と同じですが、配合されている成分や製造方法によって、それぞれ、効果や副作用に差異が出てきます。
また、ジェネリック医薬品の中には、早漏防止効果を持つ成分を組み合わせたものなどもあります。
ご自身の症状や使用する目的に合わせ、気になった医薬品を、まずは少量づつ試し、自分にあったED治療薬を探すことが重要です。